保険は「判断力の器」を映す鏡である
保険募集人資格とは?【第5回】Deep researchレポート3
事故が起きる直前、私は赤信号で停車しながら、どうでもいいことをいろいろ考えていました。
「なんで大宮の道路って、こんなに混んでいる時間帯なのに路上駐車しているトラックが大量にいるんだ?」
「これ、絶対何かおかしいだろう」
そんなことを考えながら、今度は道路脇を走っている自転車が目に入りました。
「自転車って、広い歩道があっても車道の端を走ってるよな。車にぶつけられないって信用してるんだろうか」
「よくそんなに自動車を信用できるな。当たったら大変なことになるのに。まあ、ルール上そうなっているんだろうけど……」
そして今度は、自分自身のことを考え始めます。
「あー、まだ目が覚めきってなくて頭がぼーっとするな」
「もうちょっと早く起きて出社すれば、この渋滞も避けられるかもしれないし、頭もスッキリした状態で運転できるんだけどな」
「なかなか生活改善ってうまくいかないなぁ……」
そんなことをぼんやり考えていると、ようやく前方の信号が青になりました。
「あ、やっと青になった。ブレーキを外すか」
その瞬間でした。
「ガシャン!」
大きな音がしました。
「ん? 何の音?」
一瞬、何が起きたのか理解できませんでした。
「夢か?」
いや、確かに今、音がした。
できれば夢であってほしい。でも、そんなわけがない。
「じゃあ、何の音だ?」
一瞬遅れて、ようやく頭が状況に追いつきました。
「あー……後ろか」
「後ろの車、やらかしたか」
一気に目が覚めました。
「くそ! こんな急いでるときに何やらかしてるんだよ!」
「いや、なんで? こっちは赤信号で止まってたんだぞ。ここで事故になる要素、どこにあったんだよ。」
そして次に頭に浮かんだのが、車のことでした。
「あー、俺もついに事故か……」
「新車で買って、まだ一年ちょっとしか乗ってないのに……」
この時点では、車がどの程度壊れているのかも分かりません。
ただ、とにかく腹が立ちました。
正直、相手の態度次第では罵声を浴びせてしまいそうなくらい頭に血が上がっていました。
でも、まずやることをやらなければいけません。
「とりあえずハザードを点けよう」
「ここに止まっていたら危ない。道路脇に寄せないと」
同時に、別のことも頭をよぎりました。
「そういえば、ぶつけられた瞬間はもうブレーキを外していた。完全停止じゃない。少しでもこっちの過失を取られたら最悪だな……」
そして、音だけ異様に大きくて、体感の衝撃はほぼなかったというのは不幸中の幸いか。
大きな事故でなければいいという淡い期待を抱きながら、
私にとって初めての「追突事故の被害者」としての対応が始まった。
さて。
まずは、私の新車に突っ込んできた相手とのご対面です。
そして――車はどこまで壊れたのか。
そんなことを思いながら、運転席のドアを開けたのでした。