正しさは、誰かが決めるものじゃない。あなたが選んだ、それが答え。

制度の継ぎ目に落ちるな ― 人身傷害保険は“骨の補強材”である【第2回】

あなたの“選択の日”のために

人身傷害保険が届く範囲=制度の継ぎ目を埋める補強材

人身傷害保険はまさに、この「制度の継ぎ目」から落ちるリスク=補償の空白地帯を埋める“骨”のような補強材となる保険です。

まず、人身傷害保険の基本設計と、その独自性について体系的に整理します。

人身傷害保険の基本構造と制度設計

人身傷害保険(人身傷害補償保険)とは、契約者やその家族、同乗者が交通事故で死傷した場合に、自分の保険から「実際に被った損害額」を上限(多くは3,000万円~無制限で設定可能)で補償する保険です。

この補償は

・ 過失割合に関わらず(被害者にも落ち度があっても)

・ 示談成立を待たず(相手が無保険/交渉難航も関係なく)

・ 実費(治療費、休業損害、精神的損害、後遺障害慰謝料・逸失利益等)が支給対象

という「オールインワン」な補償性を有しています。

人身傷害補償保険の特徴的機構

項目内容
補償対象被保険者および同乗家族・同乗者
支払方法実額補償型(治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料)
過失割合の扱い過失相殺なし(自分の過失を含めて全額補償)
示談不要相手方との示談成立を待たず先行支払可能
無保険事故対応相手が無保険でも自保険から支払い可能
説明責任加入者自身が選択・内容把握する必要あり

類型

契約車両搭乗中のみ対象とする「車内限定型」と、歩行中・他車搭乗中等も含める「車外補償型」があり、後者では家族が歩行中に事故に遭った場合も補償されるケースがあります(この場合、保険料はやや高額となる)。

”補強材”としての本質

制度設計上、人身傷害保険は「自賠責保険等で填補される分を控除した上で」、それを超える不足分または示談未了・過失相殺減額分に該当する金額も一括支払いする設計です。このため、以下と次ページのようなケースでも抜け落ちることがありません。

健全なリスク分担と迅速な被害者救済

人身傷害保険(ファーストパーティ型)は、「ノーフォルト(無過失)補償」的な性格を持つ点が重要です。加害者の有無・過失の有無・過失相殺割合にかかわらず、契約者(被保険者)は自分の損害を自己保険で回収できるという安心感が制度設計の出発点です。

この迅速かつ網羅的な補償が、「制度の顔」=自賠責や対人賠償だけでは拾いきれない“見えない骨組み”を社会に提供しています。

保険の話ばかりじゃ疲れますよね。かつて猫と暮らし、2.7万人と語り合った日々もありました。よかったら、そちらものぞいてみてください。

律空
この記事を書いた人
保険業界での経験を活かしながら、現在は別業界の会社員として働いています。 守秘義務を大切にしつつ、あなたにとって本当に役立つ情報を、ゆっくりと丁寧に届けていきます。

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