保険募集人資格とは?【第4回】Deep researchレポート2
保険募集人資格とは?【第3回】Deep researchレポート1
広告コピーで「おとなは安い」というフレーズは広くみられるが、冷静に統計・設計論に戻れば当然の帰結であり、個々の会社だけの独自性や「抜け駆け」ではない。「事故率が最も低い35歳以上を中心に料率が下がる」「多くの会社で同様の料率適用」という骨組みは本質的に全社(代理店型を含む)で共通である。
| 会社名 | 年齢条件区分 | 割安となるゾーン | ダイレクト型か |
| ソニー損保 | 30歳以上区間 | 30歳~高齢層 | 〇 |
| アクサダイレクト | 30歳以上区間 | 30歳~高齢層 | 〇 |
| SONPOダイレクト | 35歳以上区間 | 35歳~高齢層 | 〇(おとなの自動車保険) |
| 三井ダイレクト | 35歳以上区間 | 35歳~高齢層 | 〇 |
| 損保ジャパン | 35歳以上区間 | 35歳~高齢層 | ×(代理店型メイン) |
| 東京海上日動 | 35歳以上区間 | 35歳~高齢層 | ×(代理店型) |
いずれも、事故率・等級上昇・走行距離の短縮が重なり「おとなが安い」のは業界横断現象。
年間保険料の内訳を見ると、純保険料(リスクベースの原価部分)はどの会社も大差がない。違いが現れるのは付加保険料(代理店型で高い/ダイレクト型で低い)によるものであり、「安い」の理由も合理的で透明である。
| 項目 | 内容・役割 |
| 純保険料 | 事故リスク・統計に基づき全社共通 |
| 付加保険料 | 代理店報酬・人件費・広告費など |
| 等級制度 | 20等級まで進むと最大63%割引 |
| 年齢特約 | 21/26/30/35歳以上区分で最大50%割引 |
| 型式料率 | 車両ごとの事故実績で毎年見直し |
「40代・50代が必ず安い」と煽る広告は、家族構成や利用区分(全年齢補償・本人限定・家族限定など)によって大きな差が生じる現実にあまり触れていない。実際には「本人・配偶者限定」であれば保険料は著しく安いが、同居の子ども(20代前半など)がたまに運転、となると保険料は急激に跳ね上がるため、家庭環境によってコピー通りにならないケースが出てくる。
生命保険協会、日本損害保険協会などの業界ガイドラインおよび保険業法、景品表示法は、広告表示の適正・透明性を強く求めている。特定年齢層向けの保険料や割引をあたかも“すべての契約者が対象”であるかのように表示することは、明確に「有利誤認表示」に該当する。
・ 例)若年層向けの保険料例を本人や全契約者対象であるかのように見せる
・ 前提条件(年齢・運転条件・等級など)は明瞭に表示しなければならない
実際、多くのCMやウェブ広告は“小さな文字”や別画面で注意書きを掲出しているが、視認性・可読性の要件(文字サイズ・色・表示時間の十分さ)もガイドラインで細かく規定されている。