正しさは、誰かが決めるものじゃない。あなたが選んだ、それが答え。

「おとなの自動車保険」広告コピーと現実の保険料構造の乖離【第3回】──事実ベースで“顔”と“骨”の差を淡々と見つめる

あなたの“選択の日”のために

ダイレクト型自動車保険の構造的共通点

販売チャネルの違いと料金構造

自動車保険には代理店型とダイレクト型(ネット型・通販型)が存在する。代理店型は、営業店舗・専任担当者を間に挟み、対面サポートやきめ細かいプラン提案を実現する一方、ダイレクト型(SOMPOダイレクト、ソニー損保、イーデザイン損保等)はユーザー自身がウェブや電話で条件入力し、保険会社と直接契約する方式である。両者の最大の違いは、付加保険料の割合に現れる。

保険料=純保険料(事故リスクベース)+付加保険料(経費・営業費・利益)

純保険料は過去の事故統計等に基づき算定され、どの会社で契約しても大きな差はない。違いが現れるのは、付加保険料──すなわち、営業や人件費コスト、広告費などだ。代理店型は人件費や事務経費・コミッションが多く含まれるため、少なくとも10~30%前後、場合によってはそれ以上のコスト差が生じる。

ダイレクト型は「代理店手数料がゼロ」「店舗維持費が不要」なため、同じ補償内容でも平均して1万円~数万円保険料が安い場合が多い。

保険料の実際の比較

保険料事例を見ても、ダイレクト型・代理店型の年間保険料の差は明確である。以下は、同条件(車種・等級・補償など)での一般的な相場比較。

年齢ダイレクト型代理店型
21歳約5万円約10万円
35歳約5万円約10万円
45歳約5万円約10万円
55歳約5万円約10万円

加えて、ダイレクト型のなかでも、ソニー損保・アクサダイレクト等は「30歳以上」、損保ジャパン三井ダイレクト等は「35歳以上」の条件設定となるが、“割安ゾーン”自体はほぼ横並びと言ってよい。

年齢層年間保険料(車両保険なし)
20歳以下18~19万円
21~25歳9~10万円
26~29歳4~5万円
30~39歳4~5万円
40~49歳4~5万円

(実際には車種・等級・運転限定等により差異あり)

補償サービスの相違点

代理店型は付帯サービスや特約群がきめ細かく、場合によっては団体割引や特定法人向け割引が効くこともあるため、単純な価格以上に“顧客体験”への価値も付加される。ただし、ダイレクト型においても事故対応やロードサービスの品質の違いは年々縮小してきており、「安いからダメ」という先入観はもはや妥当でない。

保険の話ばかりじゃ疲れますよね。かつて猫と暮らし、2.7万人と語り合った日々もありました。よかったら、そちらものぞいてみてください。

律空
この記事を書いた人
保険業界での経験を活かしながら、現在は別業界の会社員として働いています。 守秘義務を大切にしつつ、あなたにとって本当に役立つ情報を、ゆっくりと丁寧に届けていきます。

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