【2025年】オリコン自動車保険ランキングを見て安心したあなたへ…(第3回)“安心”はなぜ魅力的に映るのか
【2025年】オリコン自動車保険ランキングを見て安心したあなたへ…(第2回)ランキングの構造を解体する ― “顔”が評価され、“骨格”が隠れる理由
前回の記事では、代理店型の“顔”が生み出す安心感に寄り添った。
事故に遭ったときの心細さ。
暗い夜道で車の中に取り残されたときの不安。
人身事故を起こしてしまったときの震える手──
そんな瞬間に、代理店の担当者がかけてくれた一言が、制度の冷たさを照らす“照明”になった。
だが、ここで一つ、構造を見直してみたい。
事故対応の実態は、誰が担っているのか。
補償を行うのは、代理店ではない。
損害保険会社──つまり、制度の骨格そのものが、事故対応を担っている。
代理店がいなくても、補償はされる。
事故現場で必要なのは、警察・救急・そして制度的な補償。
その骨格は、ダイレクト型でも変わらない。
むしろ、ダイレクト型はその骨格に忠実であるがゆえに、“冷たい”と感じられてしまう。
だが、それは本当に“冷たい”のだろうか。
無駄を省き、合理的に設計された制度。
人件費や店舗費を削ぎ落とし、保険料の構造を透明にする。
それは、“冷たい”のではなく、“構造的に強い”ということではないか。
イーデザイン損保、三井ダイレクト、SOMPOダイレクト──
これらの企業は、ダイレクト型でありながら、“顔”の部分も整えつつある。
事故対応のサポート体制、わかりやすいWeb設計、コールセンターの対応力──
“骨格”に忠実でありながら、“顔”の演出も備えている。
つまり、ダイレクト型は、制度の骨格に忠実なだけ。
冷たいのではなく、無駄がない。 合理的で、構造的に強い。
かつて事故受付の現場にいたとき、ダイレクト型と代理店型の対応が、空間的にも制度的にも隣り合っているのを見た。
ブランドは違っても、事故対応の流れはほぼ同じ。
守秘義務の関係上詳細を述べることはできないが、構造としては、ダイレクトも代理店型も、同じ骨格で動いていた。
この構造を見たとき、「安心の演出に、どれだけの費用を払っているのか?」という問いが立ち上がる。
もちろん、代理店型の“顔”が生み出す安心感は、人として自然な欲求だ。
だが、制度の骨格を見抜いた上で、その安心を再定義することもできるのだ。
その設計思想は、代理店型の“顔”に惹かれていた読者にも、再選択の余白を残してくれる。