正しさは、誰かが決めるものじゃない。あなたが選んだ、それが答え。

【三重・四日市市水没事故 – 第2回】補償の境界線──制度構造と車両保険の分岐点

あなたの“選択の日”のために

水は、すべてを平等に沈める。

だが、制度は沈んだあとに差をつける。

地下駐車場で水没した車たちは、見た目こそ同じように泥にまみれていた。

けれどその後の生活再建には、契約書の一行が決定的な分岐を生んだ。

自賠責保険:人身のみを守る制度

– 強制加入だが、車両損害は一切補償されない

– 水没しても、車の修理費・買い替え費用は対象外

– つまり、車が沈んでも制度は沈黙する

任意保険:対人・対物だけでは足りない

– 多くの人が加入しているが、車両保険なしでは自分の車は守れない

– 対人・対物は「他人の損害」にしか使えない

– 水没は「自分の損害」なので、車両保険がなければ補償ゼロ

車両保険(一般型):唯一の“浮き輪”

– オールリスク型なら、水災による全損も補償対象

– 契約時に設定した車両価額まで満額支払われる可能性あり

– ただし、免責金額・等級ダウン・事故あり係数などの“代償”もある

地下駐車場の“見えないリスク”

– 保険契約時に「地下に停めている」と申告する義務は通常ない

– だが、地下は構造的に水没リスクが高い

– にもかかわらず、制度はそのリスクを契約者に委ねている

契約書に書かれていないリスク。

制度が沈黙している部分にこそ、生活者の“沈む可能性”が潜んでいる。

次項では、実際に車両保険の有無でどれほどの金額差が生まれるのか──

その“沈むか、浮かぶか”の分岐点を具体的に見ていこう。

保険の話ばかりじゃ疲れますよね。かつて猫と暮らし、2.7万人と語り合った日々もありました。よかったら、そちらものぞいてみてください。

律空
この記事を書いた人
保険業界での経験を活かしながら、現在は別業界の会社員として働いています。 守秘義務を大切にしつつ、あなたにとって本当に役立つ情報を、ゆっくりと丁寧に届けていきます。

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