正しさは、誰かが決めるものじゃない。あなたが選んだ、それが答え。

制度の継ぎ目に落ちるな ― 人身傷害保険は“骨の補強材”である【第5回】

あなたの“選択の日”のために

補償の地図と骨の断章

補償の“地図化”による可視化

ダイレクト型・代理店型のいずれかに関わらず、包括的なリスク管理のためには「補償の地図=マッピング」が有効です。保険制度設計論でも、補償ギャップ(補償の空白地帯)の地図化・可視化が政策課題であるとされています。

補償地図の構造例

ケース空白地帯の理由補償可能な制度/特約
無保険車事故相手が無保険・自賠責未加入無保険車傷害特約、人身傷害特約、政府保証事業
過失相殺自分に過失があるため賠償減額人身傷害保険(過失相殺なし)
自損(単独)事故加害者本人のケガは自賠責で不補償人身傷害保険
示談未成立無保険・交渉不成立で補償未決着人身傷害保険(先行支払い)
家族の歩行中・自転車事故家族の歩行中事故までは標準補償外(特約必要)人身傷害保険(車外補償型)、特約

このようなマッピングは、補償される・されない領域を明確にし、ダイレクト型特約でも”何を足さなければいけないか”を自分で把握する上で役立ちます。

保険の“顔”と“骨”を行き来する断章

・ “顔”=自賠責・対人・対物賠償など、社会制度としての最低限カバー(表層構造・義務部分)

・ “骨”=人身傷害保険や車外補償特約、無保険車傷害などで空白地帯=不可視のリスクをカバーする本質部分

保険の本当の価値は、“顔”だけでなく“骨”をどれだけ堅牢に作れるかにある。特にダイレクト型加入者は「自分で骨組みを設計する」ことを求められるという自覚が不可欠です。

みのりさんの記事と合わせて読むことで、制度の“顔”と“骨”が揃う

みのりさんのnote記事(本サイトではこちらで紹介)は「事故後に補償トラブルが起きて困った実例」「自分の保険で人身傷害保険が先行支払いされる流れ」など“事故後・現場の肌感覚”を丁寧に描写しています。

本稿は、それらの実例を「制度設計」「補償の断層」「補強・骨組み」の視点から地図化・可視化し、どのような構造リスクがあって、その“穴”を人身傷害保険がどう埋める(堅牢化する)かという上位レイヤーの戦略論を提示します。

両者の記事が補完し合う価値

・ 実体験と構造設計のクロス:

個々の事故経験、補償トラブル、示談ステージでの葛藤(みのりさん記事)を、社会制度・保険設計・等級制度・ノーカウント事故設計など“仕組みの全体図”で補完(本記事)。

・ 二つの記事で「体系と現場」の両輪が揃う:

現実に起こりうる事例が「なぜそんな空白地帯が生じる設計になっているのか」「どうやって骨組みで守るべきか」=両面読解で理解が深まる。

・ 契約者一人ひとりが自分の補償の“地図”を描けるようになるヒント集:

事故が「他人事」ではなく「制度の落とし穴次第で自分も当事者になる」こと、その“抜け”を人身傷害保険のような骨組みで埋め直す意識を身につけるきっかけ。

保険の話ばかりじゃ疲れますよね。かつて猫と暮らし、2.7万人と語り合った日々もありました。よかったら、そちらものぞいてみてください。

律空
この記事を書いた人
保険業界での経験を活かしながら、現在は別業界の会社員として働いています。 守秘義務を大切にしつつ、あなたにとって本当に役立つ情報を、ゆっくりと丁寧に届けていきます。

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