


【警察という組織~制度の顔と骨格をつなぐ交通安全の演出構造】第3回:制度の骨格としての送検と支配構造

【警察という組織~制度の顔と骨格をつなぐ交通安全の演出構造】第2回:報道と制度の演出

交通事故が起きたとき、私たちはまず警察に連絡する。
それは当然のようでいて、制度の“顔”に触れる瞬間でもある。
今回は、徳島自動車道の事故報道をきっかけに、警察という組織の“骨格”に触れてみたい。
事故が起きたら、まず何をすべきか?
交通事故に遭遇した際、最初に取るべき行動は「警察への連絡」です。
これは法律上の義務であり、事故の大小にかかわらず、警察への報告が求められます。
・ 人身事故の場合:すぐに119番で救急車を呼び、同時に110番で警察へ通報
・ 物損事故の場合:負傷者がいなくても、警察への連絡は必須
・ 保険会社への連絡はその後:事故証明がなければ、保険金請求ができないケースもある。
翌日でも問題ない。保険会社への保険使用の合図として「事故受付」というものが必要になる。これを行う際、10分程度事故状況について聴取されるため、むしろ事故現場からの報告の場合、混乱を招くこともある。なお、連絡をしただけでは、保険を使用するということにはならならず、事故受付の取り下げは可能。
なぜ警察が最初なのか?
警察は事故の記録を取り、法的処理の起点となる機関です。
事故現場の状況、関係者の証言、車両の損傷などを「実況見分調書」として記録し、その後の保険処理や法的判断の基礎資料となります。
また、事故の内容によっては、後日「書類送検」が行われることもあります。
これは、警察が捜査を終えたことを意味し、検察に事件記録を送る制度的な節目です。
制度の“顔”としての警察
私たちは「警察に守られている」と感じることが多いですが、
事故対応の場面では、警察は「制度の顔」として機能しています。
・ 事故の記録を取る
・ 法的な処理の起点となる
・ 社会秩序の維持を演出する このように、警察は事故対応の“入口”であり、制度の“顔”を整える役割を担っています。