正しさは、誰かが決めるものじゃない。あなたが選んだ、それが答え。

【三重・四日市市水没事故 – 第3回】「沈むか、浮かぶか」──車両保険の有無が生む金額差

あなたの“選択の日”のために

水没した車の前では、感情も制度も沈黙する。

けれど、保険契約の有無は、沈黙のあとに金額という現実を突きつけてくる。

車両保険なし:沈んだ車と、生活費の直撃

水没した車は、ほぼ廃車。修理不能。

その場合、買い替え費用はすべて自己負担になる。

車種年式想定買い替え費用
トヨタ・アクア2018年式約90~120万円
ホンダ・N-BOX2020年式約70~100万円
スズキ・ワゴンR2015年式約40~60万円
トヨタ・アルファード2022年式約300~500万円

さらに、レッカー代・廃車手続き・代車費用なども加算される。

生活再建までにかかる総額は、100万〜600万円規模になることもある。

車両保険あり(一般型):制度が“浮き輪”になる

オールリスク型の車両保険に加入していれば、

水災による全損でも契約時の車両価額まで補償される。

例:アクア(車両価額90万円) → 水没 → 保険金90万円(免責5万円なら85万円)

ただし、保険金が出た後には翌年の保険料アップという“代償”がある。

保険料の変化年間保険料(例)差額
通常契約約10万円
事故あり契約約15~16万円+5~6万円

つまり、保険金を受け取ったあとに、制度が“回収”に入る構造になっている。

沈むか、浮かぶか──その分岐は契約書の一行

車両保険の有無は、

「水没したあとに、制度が手を差し伸べるかどうか」を決める。

地下に停めるという選択が、

制度の“深さ”まで読んでいたかどうかを問われる瞬間になる。

次項では、地下駐車場という“構造的リスク”がなぜ制度に沈められているのか──

その見えない設計思想に迫ってみよう。

保険の話ばかりじゃ疲れますよね。かつて猫と暮らし、2.7万人と語り合った日々もありました。よかったら、そちらものぞいてみてください。

律空
この記事を書いた人
保険業界での経験を活かしながら、現在は別業界の会社員として働いています。 守秘義務を大切にしつつ、あなたにとって本当に役立つ情報を、ゆっくりと丁寧に届けていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP