正しさは、誰かが決めるものじゃない。あなたが選んだ、それが答え。

【落石事故 – 第4回】制度の冷たさと、心の備え──守られる前に、備えるという選択

あなたの“選択の日”のために

制度は、冷たい。
それは悪意ではなく、設計思想の問題だ。

法律は、感情を持たない。
判例は、涙を流さない。
国家は、個人の痛みに寄り添うことはない。

それでも、私たちは制度に守られていると思っている。
「何かあったら、国が助けてくれる」
「保険があるから、大丈夫」
「法律が味方になってくれるはず」

──でも、実際にはそうならないこともある。

この判例では、国と県が「責任はない」と主張した。
落石は防げない。予算も足りない。過失もない。
だから、賠償する必要はない──と。

それは、制度の“冷たさ”が表に出た瞬間だった。

裁判所は、その主張を退けた。
「過失がなくても、安全性が足りなければ責任を負うべきだ」と。

でも──その判断が下されるまで、原告は争い続けなければならなかった。
制度の正義は、黙っていても現れない。
声を上げ、記録を残し、選択しなければ、何も動かない。

だからこそ、私たちは「心の備え」を持つ必要がある。

  • 事故が起きたとき、何を記録するか
  • 誰に相談するか
  • どこまで争う覚悟があるか
  • そして、制度の“冷たさ”にどう向き合うか

それは、感情ではなく、戦略だ。
守られることを前提にするのではなく、
「守られないかもしれない」という前提で、備えるという選択。

この判例は、そんな“心の備え”の必要性を静かに教えてくれる。

あなたが制度に守られなかったとき──
それでも、立ち上がる準備はできているだろうか?

次回は、シリーズ最終回「それでも、制度を使いこなす」へ。
冷たさを知ったうえで、それでも制度を味方にする方法を探っていきます。
選択することで、制度の中に“自分の道”を見つけるために。

保険の話ばかりじゃ疲れますよね。かつて猫と暮らし、2.7万人と語り合った日々もありました。よかったら、そちらものぞいてみてください。

律空
この記事を書いた人
保険業界での経験を活かしながら、現在は別業界の会社員として働いています。 守秘義務を大切にしつつ、あなたにとって本当に役立つ情報を、ゆっくりと丁寧に届けていきます。

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